2014年3月にTVアニメ放送を無事終え、この夏にはツアーや「Animelo Summer Live 2014 -ONENESS-」出演など、さらなる飛躍を期待される『Wake Up, Girls!』。
キャラクターたちを演じ、ステージに立つ7人は、一体どんな少女たちなのか。『Wake Up Girls!』監督であり、7人を見出した山本寛監督にインタビューを行ない、その内容を踏まえた個別インタビューをメンバーそれぞれに行なうことで、作品と彼女たちの魅力に迫って行く。
全七回の第四回に登場するのはWUG最年少でありメンバー随一のオタク、高校三年生として学業とWUGの活動の両立を頑張る高木美佑だ。(聞き手・構成・撮影:中里キリ)。

──『Wake Up, Girls!』に出会うまではどんな女の子でしたか?
高木美佑 小っちゃいころから週5ぐらいでクラシックバレエに打ち込んでいたので、WUGの活動を始める前から本気で何かをやって、スポットライトを浴びるような経験はありました。3歳から中一ぐらいまでで、コンクールとかもガンガン出てました。わりと真ん中で出ることが多くて、かなり燃えてました! 性格はかなり負けず嫌いだったと思います!
──陸上部でも活動してたんですよね。
高木 中学に入ってバレエをやめたあと、オタク活動にのめりこんでいたらちょっと太っちゃったんです(笑)。それで高校に入ってから運動しないとなーと思って陸上を始めました。ハードルとかやってましたが、今思うと体力をつけておいて良かったなと思います。
──オタク道にハマったきっかけはなんですか?
高木 友達の影響ですね。小学校の頃の周りはカラオケに行ってもJPOPを歌ってる感じの子が多かったんですが、中学に入ってからニコニコ動画を見ているような人が増えて、それに影響されました。作品としてのきっかけは中一の頃の深夜アニメなので、『咲-saki-』とか『けいおん!』とかですね。当時は麻雀のルールとかわからなかったんですけど(笑)。とにかくアニメはなんでも見てました! 声優さんでは釘宮さんや田村ゆかりさん、アニソンアーティストではI've系のKOTOKOさんや川田まみさん、片霧烈火さんも大好きでした。
──クラシックバレエって、アイドル的なダンスには役立つんでしょうか。
高木 手先まで気を使うので、派手な動きじゃない時の見せ方に役立つような気がします。ダンスって指先まで神経が通ってないとかっこわるいので、そういうところに役立っていると思います。
──吉岡さんもかなりクラシックバレエをやっていたそうですが、技術的にどちらがうまいとか(笑)、得意分野などはあるんですか?
高木 私テクニック系というか、回転やジャンプはすっごく得意なんです。泣きながら一番になるぞ! と思っていたので、回ることと跳ぶことは絶対負けないと思います(笑)。ポーズやしなやか系はわからないんですが、動きのあるバレエ的な技術ならきっと勝ってるんじゃないかと思います(笑)。
──『Wake Up, Girls!』のオーディションを受けたきっかけはなんだったんでしょうか。
高木 アニメが大好きだったので、いずれはアニメに関わるような仕事をしてみたいな…という漠然とした思いはあったんです。そんな時にお友達がこんなオーディションがあるんだよって教えてくれたのが、第一回アニソン・ヴォーカルオーディションで、アニソンもアニメも大好きな私にはぴったりだと思って受けました。
──その時のオーディションはどうでした?
高木 最終オーディションの時、今はi☆Risメンバーの久保田未夢さんと芹澤優さんが一緒の部屋だったんです。久保田さんがすごくかわいくて、読みが同じ名前だしやばいなぁと思いました(笑)。実際負けました! 当日芹澤さんが演技をやっているのを見て、あ、これは駄目だ、また頑張ろうと正直思いました。最終オーディションの参加者でも久保田さんと芹澤さん、それから高橋花林さんという方は強く印象に残っていて、高橋さんは後日、別ののオーディションに合格したんです。あ、やっぱり強く周りの印象に残る人じゃないと受からないんだなと思って、WUGのメンバーを選ぶ第二回アニソン・ヴォーカルオーディションの時は、意識してかなり強気で行きました。
──第二回でリベンジを狙ったんですね。時期的に考えて、高校で陸上部に入ったのは次のオーディションのことも考えて?
高木 そういう面もちょっとありました(笑)。第一回の参加者には第二回をやるよってメールが届いたので、絶対受けると思って申し込みました。二回目は自分でも全然違っていて、受かるために何ができるかをずっと考えて、すごく集中してました。
──オーディション本番で印象に残ったことはありますか?
高木 私が課題曲の練習をしていたら、香耶が「美佑ちゃんの歌いいね」って話しかけてくれたんです。ちっちゃくて見上げる感じで話してくれたので、かわいい、何この天使! と思って、名前と年齢を聞いてみたらまさかの年上で、え~ってなりました(笑)。その時は香耶も未夕役を受けていて、途中で夏夜役に移ったんです。審査では私と香耶で掛け合いの芝居とかをやったりしたので、この子と一緒にできたらいいのに…と思っていたら一緒に合格できたんです! 気持ちで負けたら受からないと思っていたので、受かると信じてやってました。
──山本監督から見て高木さんはスキル的にかなり総合的な評価は高いようで、オーディションの時のことも含めてべた褒めでした。普段監督は褒めてくれますか?
高木 わ、嬉しいです~! 褒められたのは…12月のUDXが終わった時ぐらいに、美佑は言ったことはすぐ直してくれるし、いいと思うよって褒めてくれました。自分の演技は駄目だと思っていたので、それはすごく嬉しかったです。
──自己評価では演技は駄目だと思っていたんですか?
高木 全然でした。ナレーションとかをやると語尾が伸びちゃったり、立ち稽古とかも全然ダメだったので、監督の言葉をきっかけにもうちょっと頑張ればできるようになるのかな? とポジティブになれたのはすごく大きかったです。できないと悔しくなっちゃう性格なので、だから泣き虫なのかなと思います。
──高木さんが泣き虫だという話はよく聞きますが、ご自身でもそう思いますか。
高木 一個考えはじめると、思い詰めてしまう方なんです。バレエでもお芝居でも、周りの子より上手じゃないな…と鏡越しに見てるだけで、「このくそー!」と悔しくなっちゃうし、自分よりうまい人を見ると悔しいなと思います。でも私そういう気持ちをあまり口にしないので、よく涙の意味を誤解されたり、なんで泣いてるの? と聞かれたりします。時間がたってから人知れず悔しがってるタイプなので(笑)。
──監督から見ると最近はあまり泣かなくなったそうです。
高木 アフレコの時とかはあまり泣かなかった気がします。自分にできることを一生懸命やりきったから大丈夫だって心境だったからだと思います。
──未夕といえばEDのカップリング曲にもなった「太陽曰く燃えよカオス」が印象に残った人が多いと思います。
高木 「言の葉青葉」のカップリングとして収録されることは収録当日に聞いたんです。こんなチャンスはなかなかないし、しかも一人で歌えるだなんて思ってなかったので。しかも大人気の曲で、カラオケで何度も歌っていた曲でした。原曲とはまた違う感じで、未夕ちゃんらしく歌おうと思いました。掛け合いは自分なりのイメージでやってみたらいい感じって言って頂けて、収録はすごくスムーズにできました。
──演技は苦手意識があったとのことですが、「太陽曰く燃えよカオス」の間奏の掛け合いはとてもよかったです。山本監督も器用で対応力があるという評価でした。
高木 間奏の掛け合いはキャラクターに合わせて演技ができるので、未夕ちゃんならこんな風に演じるかな? とイメージができてやりやすかったです。
──キャラクターに合わせる、演じるのは苦にならないけど、立ち稽古で自分を出したり、自分の感情を解放するようなお芝居には苦手意識があったということでしょうか。
高木 そうなんです! お芝居難しいです!
──最近の話ですが、シカゴはどうでしたか?
高木 すっごく楽しかったですけど、短かったですね! あっという間でした。海外自体が初めてだったので、雰囲気もノリも違ってなんだかおもしろかったです。日本から来たワグナーさんが、周りの方にサイリウムを配って一緒に振ってくれたのがすごく嬉しかったです。あとは、シカゴピザを食べました! すごく深い(分厚い)ピザで、メンバーはみんな「おいしいけど、ちょっと無理…」ってすくダウンしてました。私は結構大丈夫で、四種類あったのを全部食べちゃいました! 新陳代謝がいいのか、わりと食べる方です!
──そういえば先日、青山さんと池袋デートしたと聞きました。
高木 はい、前から遊びに行こうねってずっと約束してたんです! でもよっぴーは東京のホテルに泊まってたのに遅刻してきました(笑)。私が千葉から出てきて、よっぴー大丈夫? って連絡したら、「あ、今起きた…」って(笑)。私が電話しなかったら、チェックアウトの時間になっても寝てたと思います! よっぴー品川のイベントで早起きするって約束したんですけど、あんまり懲りてないですよ~。
──合流後はどうしたんでしょう。
高木 乙女ロードに行きました! らしんばんとかまんだらけとかに行って同人誌をあさりながら、「こんなのあった!」「それいいね」とか言ったり、お互いの好きそうな本薦めたり、本当にただのオタクの休日です(笑)。
──なるほど(笑)。ずっと気になってたんですが、今日は眼鏡なんですね。
高木 今日はコンタクト切らしちゃったので、仕方なくガチ眼鏡です! WUGのメンバーはコンタクトの子が多いので、普段は結構眼鏡だったりしますよ。いつかみんなガチ眼鏡で撮影とかもしてみてもいいんじゃないかなとか思います!
──これからどんな役者になっていきたいですか?
高木 当たり前なんですけど、人とは違う演技ができるようになりたいです。それが何なのかはまだわからないんですけど、自分の個性を出したいですね。いろんな役に挑戦して、なんでもやりたいです。その上で自分らしさが出せたらと思います。
──最後に、アニサマやツアーが控えるこの夏を、どんな夏にしたいですか?
高木 品川のイベントやこの前の「@JAM」が終わった後とかに、監督に「まだまだ周りのアーティストさんに負けてるぞ」ってかなり厳しく言われたんですが、自分でも本当にその通りだと思います。そういう風にWUGまだまだだなって思っている人もたくさんいると思うので、パフォーマンスで見返して、すごいなと思ってもらえるような夏にしたいと思います!
![【7月4日更新予定:第五回 久海菜々美役[山下 七海]編に続く】](images/next04.png)