田中美海　本当にアニメが大好きだったんですが、学校の友達とかには言わない隠れオタクでした。その頃はアニメ好きなのがちょっと恥ずかしいみたいな気持ちがあったので、学校では芸能人がどうしたとかしゃべりながら、家に帰ったらアニメアニメみたいな両極端な生活でした。本心は、授業中もずっと早く帰ってアニメ見たいって思っていました（笑）。

──どういった作品が好きだったんですか？

田中　最初はお昼のアニメが大好きで、日曜日の『ハヤテのごとく！』とか『メルヘヴン』とか。『プリキュア』や『おジャ魔女どれみ』とか女の子向けの作品も好きでした。でもそれがだんだん『ゼロの使い魔』とか『とらドラ！』とか深夜のアニメに移っていって。女の子がたくさん出てきて、声優さんが豪華な作品が好きでした！

──作品を見ると釘宮理恵さんがお好きなんですか？

田中　そうなんです…！　ツンデレが大好きで、『灼眼のシャナ』とかも好きで。ツンデレといえば釘宮さんで！　うわー、すごいなー素敵だなと思いながらずっと見ていました。

──『Wake Up, Girls！』のオーディションを受けた心境やきっかけを教えて下さい。

田中　広告に「第二回アニソンボーカルオーディション」というのがあって、クリックしてみたら歌も歌えるし声優さんもできるということで、これはやるしかないと思いました！　

──オーディションでは、最初は真夢役を受けていたそうですね。

田中　そうなんですよ。最終オーディションは役柄ごとに分かれていたので、まゆしぃと愛理と私はみんな真夢役のテーブルに座ってました。真夢の時はもっと大人しめにミステリアスな感じで読んでました（笑）。まゆしぃが台詞を読んで発声練習とかをしている時に、ちょっと…と呼ばれて、これを読んでみてって渡されたのが実波の原稿でした。真夢っぽくはなかったのかな？（笑）。

──山本監督は真夢役は吉岡さんにするか田中さんにするかかなり悩んだようですよ。

田中　なんだそれはー！　初めて聞きました（笑）。でも今となっては、自分が真夢を演じているのはちょーっとイメージできないですね！　今はやっぱり、まゆしぃはまゆしぃです！

──他にオーディションで印象に残っていることはありますか？

田中　今のメンバーのことは全員覚えています。よっぴーはぱーっと台詞を読んで、飛行機の時間があるので「すいません！すいません！」って言いながらごろごろーって先に帰ったのはすごく覚えています。今のまんまです！ 監督に落ちたらどうするって言われた時は、私は「なんだこれはー！」って思いながら「諦めないで別のチャンスを探します」とか言ってました。

──合格した時はどんな気持ちでしたか？

田中　実は「仮だよ？」みたいな感じでふわっとした合格だったんです。だから私は喜ばないようにしよう…と喜びをせきとめてました。正式に決まった時もドッキリかなと思いながら、じわじわっと実感がわいてきました。キャラクターの設定の用紙をもらって、初めてやったー！　となりました。

──その後の練習は厳しかったですか？

田中　いやー、声優レッスンダンスレッスンボーカルレッスンってあったんですが、どれもこれも大変でした！　私腹筋とか基礎体力が全然なかったので、みんなとの差が開いてしまった時はこれはやばいって思いました。小さい頃から水泳をやっていたので、泳ぐのは得意なんですけど、陸の体力テストは全然駄目だったんです。球技とかは大好きなので参加意欲の点数はすごくいいんですけど、技術とかの点は悪くて、やる気に技術が伴ってませんでした。

──初お披露目の頃と比べると随分体力がついたように思います。

田中　ずっと走りこんでいるので、昔よりは疲れも感じにくくなったし、踊りながら歌ってもぜいぜい言わなくなったと思います。私結構踊りながら歌うのは苦にならないほうで、ダンスの先生には呼吸の使い方がいいから、うまくコントロールすると体力もついていくよって言われました。そのあたりは水泳で鍛えられてたのかもしれません。

──ＷＵＧの皆さんは、お辞儀が深くて長いのが最初すごく印象的でした。

田中　最初に監督に会った時に、礼儀と挨拶が本当に大事だって言われたんです。最初は私たち挨拶もちゃんとできなかったので。今はよっぴーが先頭にたって積極的に挨拶しています。でも今でも監督に時々、挨拶やお辞儀のことは怒られます。監督は厳しいこともありますけど、本当は優しい方だと思います。

──山本監督に言われて印象に残ったことはありますか？

田中　アフレコが始まった頃、私の演技が全然会話になってなくて落ち込んでたんです。そこに監督が来て、「やってればなんとかなるなんとかなる、ケセラセラ！」とすごく気持ちを上げてくれたのを覚えてます。自分で台本にもケセラセラって書いて頑張りました。

──作中ではいつも実波は明るい太陽みたいな存在ですね。

田中　いつもポジティブで仕事に率先して向かっていく感じで、肝が座ってるなと思います。でも三話は実波にとって大事な話だと言われていたので、すごく緊張していました。おばあちゃんのお守りを持って演技するときとかは、おばあちゃんたちの愛を大事に演技してって、監督や音響監督の菊田さんにすごく言われました。やっぱり第三話は思い入れがありますね。

──自分の中に実波ちゃん的な部分はありますか？

田中　どうなんでしょう！　でも私は基本ポジティブな方なので、みんなが沈んでる時もあはははーって感じなので、そこは似てるっちゃ似てるかもしれません。新しいことに挑戦するのは大好きなので、よーし撮影頑張るぞ！　みたいな感じで、お仕事楽しいです。何も恐れずに挑んでいこうという気持ちです！

──新しい曲などに向かい合う時もそんな感じですか？

田中　そうですね、ノリノリです！　ウォークマンにいれて一日で覚えて、お風呂でいぇーいって歌ったり、パソコンの前でニヤニヤしながら口ずさんだり。歌は大好きです。「Wake Up, Girls！」みんなでロケとか、男の子の演技とか、実写の吹き替えとか、やってみたいことはたくさんあります！

──実波に出会ってから印象の変化はありますか？

田中　最初のイメージよりはたくさん食べる子なんだなと（笑）。パンケーキを十段重ねで食べていたりしたので、私も食べる演技頑張らなきゃって思って研究しました。私も食べることは大好きです！ あとは終盤怪我したよっぴーのことを一番に「大丈夫？」って心配したり、それでも出ることになったら「頑張りなよリーダー！」って言ったり、天真爛漫だけど意外にちゃんと考えてる子なのかなと思いました。

──マチ★アソビで徳島に行く時、山下さんにパンケーキをもらったそうですね。

田中　そうなんですよ。朝空港でおなかすいたー、カツサンド食べよー！　って思って、しょっぱいものを食べたら次は甘いものだーって思ってたら、七海が持ってきてくれたんです。でも飛行機で食べていたら、離陸だからしまってくださいって言われました。あと私シートベルトすらしてなかったので、キャビンアテンダントさんに怒られました。

──実波の魅力はどんなところだと思いますか？

田中　実波ちゃんはテンションあげあげの、天然でみんなを元気にする子です。実波ちゃんの目を見てほしいと思っていて、みんなが言い合いをしているような時はしょんぼりしていたりしている様子とかも見てください。

──実は雨女と聞いたんですが、そうなんですか？

田中　みんなそう言うんですけど、「Wake Up, Girls！」はみんな一緒に動いているので、私だけのせいではないと思うんです！　雨が降ると美海だーって言われるんですけど、だったら一緒にいるみんなも雨女じゃんって（笑）。でも私が外にでると雲行きが悪くなったりするので、やっぱり雨女かもしれません。

──WUGとして活動をしてきて印象に残っていることはありますか？

田中　ダンスが全然駄目だったので、最初はなんでこんなに大変なダンスやってるんだと思ってたり、本当にちゃんとアニメに出られるようになるのか不安だったりで、レッスンに目的意識がないって言われたりしたんです。そんな頃に私が一度骨折しちゃって、みんなに遅れてしまった時は、流石の私も不安になってしまいました。自分のことしか考えられなくて、マネージャーさんに怒られたりしました。でもワンフェスのお披露目ステージに立った後は私だけじゃないんだ、Wake Up, Girls！として一緒に頑張らなくちゃいけないんだって思うようになりました。やっぱりお客さんの前に立つと、しゃっきりしなくちゃって。

──今年の夏はどんな夏にしたいですか？

田中　これからも『Wake Up, Girls！』は続いていくので、ツアーとかアニサマとかを通して、WUGの世界をもっと色々な人に知ってもらいたいと思います。アニメの続編とかにも期待しつつ、次の展開や活動にどんどんつなげていくための夏にできたらと思います！