2014年3月にTVアニメ放送を無事終え、この夏にはツアーや「Animelo Summer Live 2014 -ONENESS-」出演など、さらなる飛躍を期待される『Wake Up, Girls！』。
キャラクターたちを演じ、ステージに立つ7人は、一体どんな少女たちなのか。『Wake Up Girls！』監督であり、7人を見出した山本寛監督にインタビューを行ない、その内容を踏まえた個別インタビューをメンバーそれぞれに行なうことで、作品と彼女たちの魅力に迫って行く。
全七回の第四回に登場するのはWUG最年少でありメンバー随一のオタク、高校三年生として学業とWUGの活動の両立を頑張る高木美佑だ。（聞き手・構成・撮影:中里キリ）。
──それでは高木美佑さんについて伺っていきます。監督から見た高木さんはどんな女の子ですか？
山本 美佑は近い、相当キャラに近いですねぇ。ガチオタだし、泣き虫だし。かなりキャラクターの未夕に近い存在だと思います。僕らが似せたのか彼女たちがキャラに似ていったのかわからない部分があって、このあたりが虚実混交というか、ハイパーリンクな部分です。
──高木さんのオーディションはどうでしたか？
山本 美佑はかなりあっさりと決まった気がしますね。総合的にこの子しかないとなりました。やっぱり上手かったですよ、当時から、そして今でも誰が器用かといえば美佑です。アドリブもできますし、『Wake Up, Girls！』の本編でも既にアドリブを入れてます。監督として一番使いやすいのが美佑です。今は高校生なので少し活動を控えてますが、どんな役でもこなせる人間になるんじゃないかと思います。いろんな声が出せるし、大人の声もできますからね。だから怖いのは器用貧乏になること。いろんな分野を研究していて引き出しは多いと思います。体力があって踊れるしね。すごいな、オールマイティだな（笑）。どんな作品にも美佑枠は必ずある、そんな存在になるんじゃないかと思います。
──高木さんは泣き虫とのことですが、監督が泣かしちゃったことはありますか？
山本 ライブの後に「歌詞間違えただろ！」って言ったら「うわ～ごめんなさいぃ」と泣きだして、そんなつもりじゃなかったんだけど、いじったら駄目なタイプなんだと思いました（笑）。でも最近はあんまり泣かなくなったんじゃないかな。少し強くなったのか、慣れたのか。彼女は素直でいい子で、素直さで言えば七海と美佑が双璧だと思います。
──未夕に「太陽曰く燃えよカオス」を歌わせたのはどんな意図だったんでしょうか。
山本 物語上の必要からですね。メイド喫茶でライブパフォーマンスには慣れているという設定だったので、何か歌わせる必要があった。僕が関わった曲でも良かったんだけど、版権の問題もあったので、エイベックス関連で何かいい曲はないかなと考えたら、『ニャル子』だろうと自然に決まりましたね。美佑にはアフレコ現場で歌わせたんですが、緊張するだろうなと思ってたのにちゃんと歌ってましたね。度胸があると思います。
──OPEDではやはりセンターとリーダーにスポットが当たる中、カップリングで与えられたソロカバー曲のチャンスにあれだけのものを出せるのはすごいですね。
山本 たいしたものです。未夕というキャラに関しては萌え萌えキュンキュンというキャラで、例えば真夢なんかに比べたら演じやすいというアドバンテージはあったと思いますが、それと彼女の個性が合致したんだと思います。半端な個性では楽曲に負けていたと思うので、そこは彼女の個性とガチオタさの勝利だと思います。メンバーの中では本当に一番のガチオタです。
──青山さんに対しては、監督は豊富なオタク知識をベースにしたサンプリングには否定的だったと思います。そのあたりの違いを教えて下さい。
山本 美佑は一度消化して、自分の中で解釈して出してくるんですよ。あとは引き出しの多さかな…吉能はこれじゃないと言うと、次がなかなか探せないんです。美佑はこれじゃないと言われるとあ、こうですねと違うものをさっと出してくるので、その引き出しの多さですね。あとは佳乃と未夕に求められる演技の質の違いですね。これからひょっとしたら、未夕に、あるいは美佑にとんでもなくシリアスな、リアルな芝居が要求されることがあるかもしれない。その時にどうなるかは気にはなるところです。
